高血圧は生活習慣病と言われる、現代人には多い症状です。ただ血圧が高いだけと思われている人もいますが、高血圧は脳卒中や脳梗塞、心筋梗塞などの引き金となり得るものです。では高血圧とは具体的にどれくらいの血圧のことをいうのか?どのような症状がでたら高血圧と思えばいいのか?

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高血圧に糖尿病が合併による血管障害のリスク

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高血圧症と糖尿病は日本人において国民病とでも呼ぶべき患者の多い疾患となりました。
どちらも生活習慣病と言われ、不健康な生活習慣が背景となって生じる疾患です。
しかし、それぞれ独立した因子によって生じるものではなく、糖尿病が高血圧症の起因となる可能性があることはご存知でしょうか。

糖尿病とはインスリン、という血液中の糖を細胞内に取り込むよう誘導するホルモンの働きが不十分になる病気です。
間食が多い、あるいはダラダラと飲み食いを続けるなど血糖値が高い状態が持続するような食生活を送っていること、もしくはストレスや遺伝要因によって糖尿病は生じます。
細胞内に糖が取り込まれなくなるため、糖をエネルギーにできず血中にだぶついた糖がいつまでも存在するため血糖値は高くなります。
この高濃度の糖は網膜や神経、腎臓に障害を来たすのです。

糖尿病はインスリン作用不全のために糖をエネルギーとして利用しにくいことが病態としてありますが、その代替エネルギーとして利用されるのは脂質です。
体脂肪を分解することによって身体や脳を動かすエネルギーを捻出しますので、肥満の人がよく発症する糖尿病ですが進行すると肥満の方でもみるみる痩せてきます。
血中脂質が過剰になると、動脈壁に沈着を始めます。
これがアテローム性硬化症へと繋がる動脈硬化のメカニズムです。

動脈硬化によって血管は血圧の変化に対応することが出来なくなります。
つまり高血圧となりやすくなるのです。
高血圧は脳卒中や動脈解離の原因となり致死的な症状の発症を惹起しますが、この高血圧に糖尿病が合併した場合は、腎症のために体内水分量のコントロールを腎で行えないため血液量増加による高血圧を招きやすくなります。
また、糖尿病患者では血小板の凝固機能が著明に低下することが知られていますので、脳出血が起きても止血できないという状態を招き危険です。
高血圧の治療に血液中の脂肪を減らすという薬剤も存在しますが、糖尿病患者では主要な細胞のエネルギー源は脂質になっていますので過度な脂質削減はむしろ危険です。

こういった機序で高血圧に合併した糖尿病は非常に治療に苦労します。
このような病態を生じる前に血糖や血圧のコントロールを図るべきなのです。

高血圧患者は心筋梗塞や脳卒中の発症率が高い

高血圧とは読んで字のごとく、血圧が異常に高くなってしまう病態です。
血管中を流れる血液が高い圧力となり、通過する動脈の壁に圧力をかけてしまいます。
心臓から始まって末梢へ向かう循環系では、途中の血管は大抵大きく血管壁も厚く頑丈なので、とても進行した動脈硬化を抱えているなど余程のことが無い限りはなかなか破綻しません。

しかし、末梢の組織に入っていくような血管は違います。
心臓から高圧で送られてくる血液を受けている末梢動脈は組織に連続しているだけなので、なかなか圧を逃がす場所がありません。
はじめは血管の許容量をいっぱいに利用し、次々に来る血流を受け止めるわけですが、やがてそれも限界を迎えます。
いっぱいになった風船がはじけるような具合で、末梢の動脈が破裂することになり大出血を起こすのです。

こういった血行動態の破綻は血管吻合の観点から大血管に連続した小血管、大樹の幹から生えたひこばえのような血管に起こりやすいと言われています。
具体的には脳の脳底動脈、心臓の冠動脈などです。
つまり、高血圧はそれ自体が脳卒中や心臓病のリスクになりえるのです。
高血圧症の患者の多くは脳出血、心臓病、大動脈解離などの血行動態の破綻によって命を落とすことが専らですので、これらの破綻リスクを無視するわけにはいきません。

高血圧の治療ではその高血圧がなぜ起こっているか、というところから突き詰めた治療が必要です。
糖尿病が背景にあるならば降圧薬を投与しつつその治療を優先します。
原因疾患が完治、あるいは症状が軽快すれば高血圧症状もかなり緩和されるはずです。
検診で高血圧、と判断された場合、背景にどんな病気が潜んでいてもおかしくははい、と慎重になり治療にあたることが重要なのです。